2010年07月

2010年07月31日

『難関大用語集解』で慶應法は何割取れますか?(2)

昨日のやりとりには、つづきがありました。

<Yさん>
そうだったんですか。勘違いしてました^^;ということは、時代の大まかな流れに並行して、+αとして難易度の高い用語を覚えた方が良いということですか?すみません。鵜呑みにした情報です。今度からはちゃんと自分で見て調べてから判断します。お早い返信ありがとうございました。おそらく難関大用語集解は購入させていただきます。

<石黒>
「時代の大まかな流れに並行して、
 +αとして難易度の高い用語を覚えた方が良い」
のは言うまでもありません。
無邪気な受験生は、問題を解くときに時期を意識していないようですが、
それでは一般に「難問」と言われている問題は解けません。
当方の早慶大向けの演習問題解説講座を受講した生徒が、
よく「目ウロコ」になるのは、
この時期を意識した解法に驚くからのようです。
歴史用語の説明は、教科書や辞書によって異なりますが、
その用語の時期に関しては、ほとんどズレがありません。
そのため各用語の内容よりも、
その用語の時期を頼りに選択肢をチェックしていく方が、
正解にたどりつきやすいものなのです。



この「時期を意識しながら解く」というやり方は、
本当に各用語の時期を習得した上でないと使えないところがミソです。
しかも、その時期の区分が、どの程度の細かさであるべきかも、
わかっている必要があるのです。
たとえば「六斎市」という用語は、
「中世」とあいまいに区分すればよいのか、
それとも「室町時代」と区分した方がいいのか、
はたまたもっと細かく区分しなければならないのか……。
実はこれ、大学によっても違ったりするのです。
そして、世間には、
時期の整理ができない学習法で満足している人たちがたくさんいます。
「教科書マーカー学習法」とか、
「一問一答学習法」「用語集暗記学習法」の人たちです。
日本史は英語や古文のような言語学とは違います。
真面目な話になりますが、やはり歴史学ですから、
「いつ」は大切にしてもらいたいものです。

2010年07月30日

『難関大用語集解』で慶應法は何割取れますか?(1)

昨日のブログ
 実は「これが出るんじゃないかな?」という幻想だけで、
 入試まで突っ走っている人が大半なんです。
と書きましたが、
「たぶんそうした勉強になってるんじゃないかなあ?」
と思われる方から、質問メールをいただきました。

<Yさん>
石黒先生こんにちは。浪人生のYと申します。早稲田予備校でも河合塾でもなく駿台生です。いま、自分は難関大用語集解を買おうか迷っています。慶應法学部を目指していまして、英語は七割近く取れるようになり、日本史は六割がアベレージです。小論文がなかなか安定する物では無いので、いまの状況に不安を感じています。なので、覚えれば確実に得点を稼げる日本史に、もっと重点を置こうと考えて、新しい単語集を探しています。そこで先生にお聞きしたいのですが、難関大用語集解に載っている単語を全て覚えた場合、慶應の法学部では何割程度取れると見込めますか?安直な質問で申し訳ないのですが、結構高い買い物なのでなかなか踏ん切りがつかなくて困っています。また、慶法は山川の用語集、教科書からよく引用しているらしく難関大用語集解を買っても伸びるわけではないのかな?とも思ったり・・・また、他にもお勧めの用語集があればお願いします。参考までに、去年の試験では早稲田社学が8割、商学部は7割で(去年は慶應は受けていません)、去年までは石川の実況中継、金谷の一問一答&史料集、浜島書店の新詳日本史(資料集)を主に使っていました。

<石黒>
お問い合わせありがとうございます。
『難関大用語集解』は用語集ではなく、
普通に受験日本史を説明している参考書です。
「用語集」という言葉のせいで誤解されがちですが、
タイトルは「令集解」からきています。
このため辞典のような用語説明の本ではありません。
PC用サイトでは、中身の一部を閲覧できますので、
よろしければご覧ください
『読むだけ日本史(1)』『日本史でるとこ攻略法』『日本史事始』
登場しなかったハイレベルな用語を集め、単元ごとに説明し、
実際の出題例を挙げてポイントを明確につかめるようにしたものです。
ただし、文化史は『でる日講義−とことん文化史−』
網羅しているため扱っていませんし、
近現代も『受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史』
網羅しているため扱っていません。
そのため『難関大用語集解』だけで、
慶應法学部の正解率がどうなるかは調べておりません。
そもそも年によって難易度が異なりますし、
とりわけ2010年度入試は難易度が高めでした。
というわけで、上記の当方の教材を使っていただければ、
慶應法学部の合格ボーダーを超えるのはあたりまえですが、
当方としては早慶上智で9割正解をめざしているとしか言えないのです。
あしからずご了承ください。

ところで慶應は確かに用語知識の量が合否を分ける大学ですが、
それを習得するために用語集を使うというのは、
あまり効率が良いとは思いません。
ムダな用語がたくさん入っているうえに、
時期による体系的な整理ができないからです。
というわけで、お勧めできる用語集はありません。
ちなみに慶應法学部が山川の教科書からよく引用しているというのは、
ご自分で確かめて納得されたことでしょうか?
どのくらいの割合をもって「よく」と言っているのかわかりませんが、
あまり鵜呑みにしない方が良いと思います。

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2010年07月29日

講習を受講して焦りはじめた人(3)

今週は河合塾南浦和現役館で講習をやっています。
例によって発展・早慶・近現代の4コマです。
そして、初回の授業後には普段授業を受けていない人が、
何人も学習法の相談に来ていました。
やはり授業で衝撃を受けた人が多いようです。
3講座とも、初日の内容はわりと簡単なので、
ここで衝撃を受けたとしたら、この後大変なことになりますよ?
「発展」なら土地制度史が待っていますし、
「早慶大日本史」ならこの後、50題以上の類題が待っています。
衝撃を受けつつも攻めの姿勢で挑んでくれればいいのですが、
へこんでしまう人もいるでしょうねえ。
実際、質問中に本当に固まってしまって、
声が出なくなってしまった人もいました。
彼女は僕ではなく、別の先生の授業を受けていたそうなのですが、
「どこまで細かく入試で出るのかわからない」と言うのです。
そうでしょうねえ。
何が出るのかがわかれば、ダレでもカンタンに受験勉強できます。
でも、なかなかその正しい情報を入手することはできません。
いらない知識を教えている先生や参考書はたくさんありますし、
標準問題を「難問」と切り捨てている問題集もたくさんあります。
そうした環境のなかで、みんな闇雲に勉強しているのです。
当の本人は気づかないでしょうが、
実は「これが出るんじゃないかな?」という幻想だけで、
入試まで突っ走っている人が大半なんです。

ちょっとひどい言い方になってしまったかもしれません。
でも入試問題を7万5千回も入力した僕としては、
そうした世間一般の入試情報と真実の入試情報のズレを、
言わずにはいられないのです。
授業料を払って受講してくれているのですから、
できるだけいらない知識は省いてあげたいですよ。
逆に必要な知識は時間のあるかぎり紹介したいです。
みなさんも入試問題を2千本くらい解けば、
世間に出回っているエセ入試情報に気づくはずです。

さすがにこのブログでは、どこがどう違うかは言えません。
公の場で特定の参考書を批判するのは、何かと差し障りがありますし、
20年間、数千時間も入力した結果に得られた入試情報だからです。
当方の授業・教材に価値を認めてくださっている方にだけ、
お教えしたいと考えております。
パソコンからなら、各教材のサンプルが詳細に見られます。
受験日本史をかじったことがある人なら、
そのサンプル画像を見るだけでも‘違い’がわかるかと思います。
予算に余裕のある人は、ぜひ、受験日本史で優位に立ってください。


でる日講義−経済・外交史(前近代)−
携帯でご覧の方はこちらからどうぞ

2010年07月28日

講習を受講して焦りはじめた人(2)

昨日の相談のKさんは、まだ入試まで半年以上あるにもかかわらず、
ずいぶん弱気な発言をされていましたが、
多くの受験生は、その逆にまだ焦っていないのではないでしょうか……。
驚くことに「夏休みは現役生より、高卒生の方がダレている」
なんて話をある校舎で聞きました。
うーん、高卒生なのにモチベーションが低いっていうのは、
一体どういうことなんでしょうね?
さて、そのKさんから、さらに質問がありました。

<Kさん>
早いご回答ありがとうございます。気づけたことは良かったのですが、本当に不安ばかりです・・・。実は『読むだけ日本史(1)』と『日本史でるとこ攻略法』は購入しました。目から鱗というか、覚えにくい所も「今までこんな事で苦労してたのか・・・」という風に思わされました。本当にまだまだですね・・・。文化史・史料問題も大変ですよね・・・。大学に行けるか心配になりました・・・。あともう一つ質問なのですが・・・(すみません)近現代はどんなやり方で勉強すればよいのでしょうか。高校1年生の時と3年生の今で近現代の範囲を分けて勉強しているので、おそらく曖昧になっていると思います。でも近現代もすごく大事ですよね・・・。よければお答えいただけると幸いです。

<石黒>
すでにお持ちでしたか。
それだけ動きの速い人なら、
やるべきことをやれば合格できると思います。
近現代の学習法については7月だけでも、数名から質問を受けており、
それがブログの記事になっています。
さかのぼってお読みください。
受験日本史について、かなり疎い環境にいるようなので、
でるとこサイトやブログのご利用をお勧めします。
(携帯でご覧の方はこちらからどうぞ。)



自分の危機的状況に気づけたKさんには、
ぜひともがんばっていただきたいものです。


でる日講義−つながる近現代−
携帯でご覧の方はこちらからどうぞ

2010年07月27日

講習を受講して焦りはじめた人(1)

河合塾藤沢現役館での夏期講習が終わりました。
例年どおり、発展・早慶・近現代の3講座で、
4コマ連続で受講していた人も結構いました。
おつかれさまでした。
その人たちは毎日の復習時間が十分に取れなかったでしょうから、
記憶が薄れないうちに、急いで復習しきってください。

発展・早慶を受講した人は、自分の弱点がはっきりしましたよね?
現役生の多い校舎ですから、
たぶん史料や文化史がおろそかな人が多かったと思います。
そのままだと墜落コースです。
急いで手を打ってください。

一方、そもそも政治史部分の学習水準が低かった人もいたようです。
こんな相談を受けました。

<Kさん>
お忙しいところすみません。ご相談があります。昨日までの藤沢の夏期講習「日本史総合演習[発展]」を取っていた者です。普段は先生の授業ではないのですが、早慶日本史を取っています。今回初めて先生の講習を受けて衝撃を受けたのでメールさせて頂きました。先生の授業を受けてみて、自分は今まで無駄な勉強の仕方をしていたんじゃないか?と何だか自分が馬鹿みたいに思えてきたんです。あと知らない単語がとにかく多くて・・・知識不足をとにかく痛感させられました。それで今から取り組み方を変えようと思ったのですが、今からじゃもう遅いんでしょうか。志望校はMARCH・早稲田なのですが、もう無理なんでしょうか。浪人はできないので今からでも何か少しでも取り組める事があれば、教えて頂けないでしょうか。お願いします。

<石黒>
5日間の講習、おつかれさまでした。
いろいろ気づけたことはよかったですね。
ただし「発展」の授業は、
決してすべてが最難関レベルではありませんよ。
プリントの講義部分は早慶上智レベルですが、
テキストの問題および解説は簡単で、MARCHレベルです。
授業のどの部分で「知識不足」を痛感したんだろうか……
と心配になりました。
あの授業の後に行っていた「早慶大日本史」の授業では、
さらに一段上の話をしていたのです。
というわけで、まずやってもらいたいことは、基本用語の確認です。
『読むだけ日本史(1)』を使って、
前近代部分の習得ができているかどうかを確認してください。
赤字はもちろんのこと、黒字部分も知っているかどうか、
読んで確認するのです。
次に本気で早稲田をめざしているなら、
『難関大用語集解』がお勧めです。
ここには、『読むだけ日本史(1)』『日本史でるとこ攻略法』
『日本史事始』に登場しなかった、
ハイレベルな用語を集めて、単元ごとに説明しています。
実際の問題もついていますから、
どう出題されるかも明確にわかるはずです。
そして、さすがにまだ7月末ですから、
「遅い」ということはありません。
ただし、僕から見ると不安な点がいくつもあります。
上記の方法で政治史用語は拾えたとしても、
それが史料問題や正誤問題で出されて解けるのかどうか。
また、あの「発展」の授業ではほとんど出てこなかった文化史は、
習得できているのかどうか。
現役合格のために夏休み中にやっておかなければならないことは、
非常にたくさんあります。
2学期に備えて近現代のあらましを予習しておくことも必要です。
急いで取り組んでください。

2010年07月26日

映像教材の感想(再)

この時期、集中的に映像教材に取り組んでくれている人がいます。
「とことん文化史」「つながる近現代」
受講生からのメッセージを紹介します。
夏休み中に受講すべき『でる日講義』は、
近世初期までの外交史や、古代〜現代の土地制度史などを扱った
「経済・外交史(前近代)」もお勧めです。
夏期講習で、これらに相当する講座を受講していない人は、
まとまった時間の取れる今の時期に、ぜひマスターしましょう。


映像教材の感想
(携帯でご覧の方はこちらからどうぞ。)

2010年07月25日

遣唐使の一覧って全部覚えるんですよね?

この5日間は、河合塾藤沢現役館で夏期講習をやっています。
例年と違い、今年は他の校舎から、
見知らぬ高卒生が何人も来てくれました。
去年の通年受講生も来てくれているのですが、
どうもそれ以上の数の見知らぬ高卒生がいるようなのです。

そして、ある高卒生から衝撃的な事実を聞きました。
通年授業のテキストにある遣唐使一覧の表を、
「全部覚えろ!」と言われたそうなんです。
表を見せてもらい、不要なものをバッサバッサと削っていったら、
だいたい3分の1の情報量になってしまったのです。
聞きに来た彼は呆然としていました。
まあ、そうですよね。
だって覚えろって言われた情報量の3分の2が、
要らないものだったのですから。
でも、容易に想像がつくのは、
ほかにも要らないものをいろいろ覚え込まされてるってことです。

これがギャグなのは、この質問の主が、
「日本史講師に抱く不信感(1)」のH君だったってことです。
そのときの話では、
講師は用語ごとの出題ランクを知ってるって話だったんですよ?

世の中には出題データを重んじない人もいます。
だけど、いくら大は小を兼ねるといっても、
3倍も覚える余裕なんてあるのでしょうか?
そんなことをしていたら英語が落ちますよ。

この話を読んで笑えた人は、
真実の出題情報をもとに奮闘してください。
必ず報われますよ。
勝って当然なんです!

2010年07月24日

南浦和現役館での一喜一憂(再)

昨日に引き続き、アマちゃん受験生に呼びかけます。
特定の参考書や問題集に頼り切って勉強している人が多いようですが、
肝心なのは、「入試でどう出るか」です。
受験生には人気のある参考書でも、
実際の入試に即していないものもあるんですよ。
ウソだと思うのなら、過去問と照らし合わせてみてください。
……って、受験生にはそんな暇ないでしょうから、
氷山の一角として、ひとついい例を紹介します。


南浦和現役館での一喜一憂
(携帯でご覧の方はこちらからどうぞ。)


目が覚めた人は、志望校の過去問演習に走ってください!

2010年07月23日

日本史受験に必要な4つのモノ(再)

藤沢の夏期講習には、
僕の通年授業を受けていない生徒がたくさん来ているようです。
その人たちのどれだけが、
このブログを読んでいるかはわかりませんが、
授業中の様子を見ていて不安になったことがいくつかあります。
赤本を解いていないせいで入試の厳しさがわからないのか、
授業の集中度が低かったり、
解けて当然な問題が解けていなかったりするようです。
模試と入試が違うということを、早く気づいてください。
赤本は履修範囲から徐々に解いていくべきものなんですよ?
高卒生なのにまだ赤本を解いていない人がいると聞いて驚愕しました。
というわけで、受験のキホン原則をお読みください。


日本史受験に必要な4つのモノ
(携帯でご覧の方はこちらからどうぞ。)

2010年07月21日

夏期講習から参戦する方へ(再)

夏期講習で初めて僕の授業を受ける人がいるかと思いますが、
ちゃんとついてきてもらえるかどうか、不安なところです。
自分が今までやってきた勉強と授業のレベルの差に
びっくりしてしまう人が多いようですが、
驚いているだけでは何も始まりません。
こちらの記事を読んで、
一刻も早く遅れを取り戻せるように対策を練ってください。


夏期講習から参戦する方へ
(携帯でご覧の方はこちらからどうぞ。)

石黒拡親
石黒拡親

愛知県出身。1990年、東京学芸大学教育学部卒業。早稲田予備校・河合塾講師。
入試問題分析を20年続けてデータ化し、2万の用語の出題率を取っている。
「ウソはったりのない、入試に直結する講義」を強くこころざし、受験生には「考える力をもってもらいたい」と強く願う。

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